プロローグ
私は彼と付き合い始めた時はまだ不倫だった。
1年半後に離婚した。
彼は私と付き合ってから2年間、二股していた。
私と付き合い始めた時、二股相手の元カノはまだ暴力的で攻撃的で自己中な人間だったらしく、彼は疲れていて私との関係を持った。
彼は最初は遊びだった。
今もそう言う。
ただの癒しを求めていただけ。
私にも最初遊びだっただろう?っていうけど、私は遊びで、付き合って性的なことはしない。そもそもあまり性的なことはいい思い出もないのでしたくない。
感謝の気持ちで友人としたり、自分が女として大丈夫か確認するためにやることはあっても気持ちがお互い入ることはない。
だから私は最初から遊びではなかった。
発展するかなという気持ちで付き合っていた。
2年間、彼は二人ともにいい顔をしていた。彼女が居てるのを知っていて別れるから、という条件のもと付き合ったのは私なのですぐ別れるものと思っていたが2年以上続いた。
私はその間に彼の仕事も手伝い始め、できることはサポートし、彼と私しか入ることのない別宅も彼が社用で借りてくれた。
どんどん元カノと距離を置いているという彼の話を信じていたけれど、彼が私に嘘ついて元カノとその時は恋人同士としてパーティに出席したことを知って我慢できなくなった私は元カノに連絡した。
素敵なお着物ですね。
と。
それで元カノは彼が私と二股していることに気づいて彼と別れた。
そんな簡単に別れられたのになんで2年も我慢させられたの?と納得がいかなくて、嘘ばかりつく彼氏ではなく、元カノに直接会いに行った。
占ってください、とお願いしてちゃんと予約していった。
そしたら全てを知った元カノと私。他の女にも手を出してたのがわかった。しかもすべて関係者。私も元カノとも繋がっていた。肉体関係を持ったのは私が確認してるだけで二人、他にも元カノはわかったと言っていた。
そこから帰る道中、彼に連絡すると、元カノと会ったことをすごい剣幕で怒り出した。
元カノとはお互いしんどかったね、という話で終わったのにすべての嘘や失態をさらけ出された彼氏は激怒した。これから大変なことになる。と。
もちろんそんな女に手を出しまくっていたことがなにごともなかったかのように過ぎ去るわけはなく、元カノとは長い付き合いで共通の知人が多く、その中で手をつけていたわけで、すごいバッシングが始まった。
まさかそんな人とは!と、女性が多かったので余計に見下され、悪口を言われ、陰口は尾ひれをつけて広まり、罵詈雑言を浴びせられた。
仕事にも支障が出た。
それを私が言ったことになっていた。
私は元カノと彼の共通の友人とは親しくはないし、そもそも連絡先も知らない人ばかり。それに彼と付き合っているのも公言していなかったので私が言うわけないのだが、私がいろんな女と浮気してる、などといったと元カノが後に広め、それに途中で尾ひれがついてあの人ともこの人とも浮気したという話になって広がったらしく、それはそれはいろんな方面から罵声が飛んできたらしい。
仕事の面で彼をサポートしてきたのは私で元カノは自分が有名になっていくのをすべて彼にお膳立てしてもらっていた。
彼は元カノに占い師という資質があると見込んで有名にするべくマネジメントし、生活も人間性もボロボロだった元カノを自分で稼げるようにし、いい女に育てたと言っていた。
だからもう俺からは卒業だと言って元カノと別れた。
私にはそうはいったけれど自分からは別れるとは言っていなかった。
元カノから振られないと未練たらたらで、別れられないやつだった。
二股生活は究極の寂しがりやの彼にとっては居心地が良くて仕方がなかったと思う。
元カノにも子供がいて家族ぐるみの付き合いが何年も続いてたので別れるときに元カノの子供からもかなりきつく言われたらしい。
しかし元カノも自分が稼げるようになり、一面ではまともな人間にしてくれた彼に未練があったのだった。
別れてからは元カノの子供からは連絡はあるけど元カノからはないと言っていたのに嘘で、電話したり会ったりしていた。
そのことに私が気づくと元カノからどうしても会いたいと言われ、家の前で待ち伏せされたからと言っていた。
彼と別れた元カノは海外にいき、なにやら魔力を高めたと言って嫉妬から私といると不幸になるからと無理やり押しかけたらしいのだ。
元カノはそこそこ有名な占い師になっていた。根強い女性ファンが多い。
神の声が聞こえるという。
けれど、私のことや彼のことはさっぱり当たらない。
嫉妬や恋愛感情や憎しみが勝って自分の都合のいい幻聴が聞こえているんだろう。
一旦は元カノを切ったのにまた私を裏切るようなことして、それに気づいた私は彼のスマホを勝手に操作して元カノに私と付き合ってるんだからもう近づくなというメールを送った。
少し前に元カノに
私はおとなしいから何もしない、俺の言うこと聞くから安心しろ、ちゃんと私と別れてくる、と元カノに言っていたことは後に元カノから聞いてたから、何もしないとつけあがるということもわかっていたから怒るのわかっていてやった。
勝手に操作するのは犯罪や!って彼はすごい怒ってたけど元カノをきっぱり切ったとか言いながら連絡もないとか言いながら結局会ってたのは彼だった。
そのあと元カノに復縁を迫り、プロポーズまがいのことをし、私のことはキープとして仕事上で有利に使えるところだけ使っていた。
それに気づいた私は別れる!と、彼に告げた。
本当は私から別れてくれてよかった、弁護士に相談し、仕事を辞めさせて別れる算段をしていたけど手間が省けたと元カノから聞いた。
私はショックで食べることも休むことも寝ることもできない状態になった。
仕事も辞めたから一日中別れた旦那のいる家のリビングで転がっていた。
しかしその裏で糸を引いていたのが元カノだったとわかってきた。
私が彼を貶めるようにしたとうまく立ち回っていた。私がそのあらぬ噂も広めたと。私が彼の会社を乗っ取ろうとしてると占い、あーしろこうしろと彼に指示していっていた。
元カノは立ち回りがうまい。
彼には自分の後ろ盾になって欲しいから、いなくなると利用できなくなって不安だからというのと、嫉妬で私をなんとか陥れて別れさせようとしていた。
私は何も言わなかった。
私がいると不幸になって会社も潰れると言われた、と彼が言っても何も言わなかった。
人を貶めて自分が上がろうとする行為は必ず自分に跳ね返る。
ただの嫉妬でしかない。
彼も元カノは自分が育てた占い師なのでその言葉を信じそうになっていたがあまりにも現実の私と違うことがわかってきた。
元カノと彼は喧嘩をするようになった。私が悪い女だと元カノがいい、彼はそんなことないとかばう日々だった。
そして私は元カノよりももっと力のある占い師のもとに行かされることになった。本当に私がいると彼は不幸になるのか。それを聞いてきて欲しいと。
そこで言われた言葉は元カノの言ったことはただの嫉妬。気にする必要はない。今まで通りすれば何も問題ない。と。
そして彼は、ついに本当にきっぱり縁を切った。
元カノのブログでは元カノから縁を切ったと書いてあったのでどっちがどうかはわからないが、私を選ぶ、と彼は言ったようだ。
で、私は?
これだけ書いていくとそんな男についていっていいものかとそれはそれは疑問になってくる。
そのモヤモヤした気持ちと元カノという二枚舌のすごい女と、二股をかけ続けた彼について書いていこうと思う。